出産について調べると「赤ちゃんが出たくなったタイミングで陣痛が来る」だのなんだの、ファンタジック医学用語がたくさん出てきます。「早く出てきてね、と優しく声をかけましょう」とか。
胎児がホルモンを出して、それをきっかけに子宮収縮が起きるは可能性としてまだあり。しかし、その場合でも胎児がホルモンを出すきっかけがあるはずやろ!
私はこの手のファンタジック医学用語が苦手なタイプである。
だから調べても調べても納得のいかない言い伝えみたいなものが多くてすごくイライラした。
人に説明する時は面倒くさ…いや、ファンタジック医学用語の方が相手のモチベーションを維持しやすいこともあるので使うんだけどね。
まあそんなわけで最後のフェーズ、いきむ時がきました。いわゆる分娩第2期です。
ここでおさらいですが、まず子宮収縮の力で胎児を子宮口に押し当て、子宮口をじわじわと押し広げます(分娩第1期)。
その後腹筋を使い、子宮口に胎児をさらに強く押し当て一気に子宮口から出します。そのまま頭部が膣に移動した胎児をさらに腹筋で押し出すわけです(分娩第2期)。
つまり分娩第2期からはパワー!なのです。
腹筋の力の入れ方は、ひどい便秘の際に後一ふんばり力を入れる時に1番近いです。
まあそんなこと言われても分からないんですがね。
私はいきむのが下手すぎてお産が進まなくなり、ここから4時間苦しみました。
あまりにも辛すぎて途中で休憩もかねて(激痛の中休憩もへったくれもないんですけど)横向きでいきんでました。
その時に奇跡的にいきみ方が分かった気がした、というか胎児がギュンッと移動した感覚があったんですね。
戻っていくんですけど。
いきんで子宮口から胎児の頭が出れば、そのままひと押しで行けるのですがね。
新生児の頭の直径はだいたい10cm。
もちろんだいたいこんなもんって数値なのでこれより大きいことだってある。
それを10cmの穴から無理やり出すんだからね。
しかも周囲を骨盤が囲み、囲まれてる部分は少し扁平気味な形をしてるので、胎児は頭の骨をずらしながら出てくるのです。
だからすさまじく力がいる。
陣痛の痛みの波がピークに達する時(つまり子宮が収縮している時)に腹筋をタイミング合わせて効果的に動かし、外に出す。
平滑筋と横紋筋のコラボレーションである。
とまあそんなこんなでいきみ方が分かったところで再チャレンジ。
あの蛙がひっくり返ったみたいな格好でいきむのむずいけどね。
ついでに一般的には顎を引いてヘソを見るような感じで腹筋に力を入れるそうなのですが、私はなぜか顎を上げて斜め上に引っ張るような感じで力を入れたら上手くいきました。
最後、ぶちぶちっと何かが切れる音を立てながら息子さんは出てきました。
トラウマや。
ぶちぶち音を聞いた時、恐怖で怖気付いたのですが、
助産師さん「逃げない!!!」
私「ひぃぃー!!!(いきむ)」
という感じで頑張りました。
第一子の出産とは産道(特に膣)の余計なもの(膜とか?)をぶちぎりながら進むものなので、子どもが産道を作るは本当です。
何度も何度も鎮痛剤打ってくれ…麻酔かけて出してくれ…どうにかしてくれ…と思ってたけど、もう逃げられないと覚悟を決めてから頑張りました。
母は強いってことだね。
逃げられないから戦うしかないんだもん。
本当に辛かった。
でも息子さんを初めて見た時に思ったより人間だったので(何だと思ってたんだ)軽くパニックになりました。
そしてどんくらい辛かったか忘れた。
ドーパミンがすさまじい勢いで出てくるんですわ。
うぉー!!!!
出産おわったー!!!!
みたいな。
そうしてまたいつか同じ過ちを繰り返すのよ(第二子妊娠)。
あんな痛いんだったら無痛分娩の方がいいと思うのよね。
しかし第二子以降は産道も余計なものはなくなり、いきみ方も分かってるし、臨月に運動して子宮口を柔らかくできることもしれたし。
たぶん半分くらいの時間で終わると思うのよね。
そうなるとお金をけちりたくなるよね。
私自然分娩がんばったしな、という謎の自信もつくし。
まあ今後のことはまたその時考えよう。
ついでに臍帯血を採取すると採取分の血液(100〜200cc?)が取られ、同時に出血箇所の止血が遅れるので出血量が増えます。
気をつけましょう。